我々が注目している「筋膜」を電子顕微鏡レベルで見ると、まるでシュロやヘチマの繊維のような構造をしています。
この細かな網目は、主にコラーゲン線維でできています。
しかもこのコラーゲン線維は、弛緩したり伸ばされたりすることで、構造そのものが大きく変化します。
では、その線維同士がスムーズに動くために必要なものは何でしょうか?
それが「基質(マトリックス)」です。
基質=筋膜の潤滑油
基質とは、筋膜の間を満たしているゼリー状の液体成分のこと。
これが潤滑油のような役割を果たしているため、筋膜は滑らかに伸び縮みできます。この基質は主に、
- 水分
- ヒアルロン酸
から構成されています。つまり、筋膜の柔軟性には「水分環境」が非常に重要なのです。
動かないと「ゲル化」する
基質には特徴があります。それは、温度や圧力によって状態が変化すること。
ゲル化(固化)
- 冷え
- ストレス
- 長時間同じ姿勢
- 運動不足
こうした状態が続くと、基質が脱水し、ドロドロに固まり始めます。すると筋膜同士が癒着し、動きが悪くなり「ゲル化」が起こります。「体がカチカチ」という人は、このゲル化が全身で起こっている可能性があります。
圧や熱で「ゾル化」する
反対に、
- 身体を動かす
- 温める
- 適度な圧を加える
ことで、基質は水分を取り戻し、サラサラした状態へ戻ります。これを「ゾル化(流動化)」といいます。
「ゲル」はコンニャクのような状態。
「ゾル」は牛乳やペンキのような流れる状態。
こう考えると、とてもイメージしやすいですね。
身体は“適当に動かす”だけでも変わる
特別な運動をしなくても、
- こまめに動く
- 軽く伸ばす
- 歩く
- 深呼吸する
こうした小さな刺激だけでも、基質はゾル化しやすくなります。逆に、ずっと同じ姿勢でいると、筋膜はどんどんゲル化してしまいます。
だからこそ大切なのは、
「固まる前に、少し動かすこと」
なのです。固まりきった後に動かすのは大変です笑。