「最近、身体が硬くなったな…」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。身体が硬くなる原因というと、筋肉そのものが縮んでいるイメージを持たれがちですが、実はそれだけではありません。
私たちの背中から腰にかけては、多くの筋肉が何層にも重なって存在しています。
例えば、一番表層にある広背筋をめくると、
その奥には脊柱起立筋があります。
さらに脊柱起立筋の奥には腰方形筋が存在しています。
それぞれの筋肉には役割があり、動くタイミングや働き方も異なります。
本来であれば、それぞれの筋肉が独立してスムーズに動くことで、身体はしなやかに動くことができます。
しかし、運動不足や同じ姿勢の継続、疲労の蓄積などによって筋肉同士の滑りが悪くなることがあります。すると、本来は別々に動くはずの筋肉同士が癒着したような状態になり、自由な動きが制限されてしまいます。
それぞれが適切に動けなくなることで、使われる機会が減り、徐々に硬くなってしまうのです。
身体が硬くなる原因は、単純に筋肉が縮んでいるだけではなく、このような筋肉同士の「滑走性の低下」が関係していることも少なくありません。
さらに問題なのは筋肉だけではありません。
筋肉の中や筋肉同士の隙間には、末梢神経や血管が通っています。筋肉同士の滑りが悪くなり、その隙間が狭くなると、神経や血管が圧迫されることがあります。
その結果として、痛みやしびれ、重だるさなどの症状につながることもあります。
私たちの身体の中には、筋肉や神経、血管、内臓など多くの組織がぎっしり詰まっています。
しかし、それぞれがスムーズに滑り合いながら動いているうちは問題は起こりません。反対に、組織同士の滑走性が失われると、身体は思うように動かなくなり、さまざまな不調として現れてきます。
身体の硬さや慢性的な肩こり・腰痛でお悩みの方は、単に筋肉を伸ばすだけでなく、「組織がしっかり滑っているか」という視点も大切です。
ストレッチをしてもすぐ元に戻る、マッサージを受けても改善が長続きしない。そんな方は、筋肉や筋膜の滑走性の低下が関係しているかもしれません。
身体の不調を根本から改善するためには、筋肉をほぐすだけでなく、組織同士がスムーズに動ける環境を整えることも重要ですね。