ひと昔前までは背中の筋力が不足しているので、胸が張れずに猫背のような悪い姿勢になると言われていましたが、実は最近ではそれらの筋力以外にも、ある特定の筋肉不足が原因で猫背になると言われています。
例えばトップアスリートのテニスプレイヤーなどでも猫背の影響で腰痛に苦しんだ方もいるくらいですから、背中の筋力だけが原因ではないことも分かりますよね。
猫背は背中以外のどこの筋力不足で起こるのか?
猫背になる原因は広背筋など背中の筋力低下で起こることは分かると思いますが、実は背中の筋力低下だけが猫背になる原因ではありません。
もちろん猫背を改善していく為には、姿勢維持に欠かせない背中の筋肉などを鍛えていかなければならないのですが、猫背を改善しようとし一生懸命背中の筋トレだけをしても猫背は中々改善は出来ないのが現実です。
背中の筋力はあるのに、猫背になりやすい原因としては骨盤周りの筋力低下が原因のことが多いです。
その筋肉とは”腸腰筋”です。腸腰筋が弱くなると骨盤と上体を支えられなくなり、いわゆる骨盤が歪む状態になってしまいます。
骨盤が正常な状態(位置)で無いと姿勢を維持するために使う筋肉が姿勢の良い方に比べると、より負担が掛かりやすくなり姿勢維持する筋肉に疲労が溜まり姿勢の維持がしにくくなります。
骨盤周辺の腸腰筋の役割とは?
腸腰筋とは骨盤周辺にある大腰筋や腸骨筋の総称で、インナーマッスルの一つで、正しい姿勢の維持や下半身を使った動作(歩くや飛び跳ねる)の制御と深い関わりのある筋肉です。
簡単に言うと歩行時に使う筋肉です。普段歩かないでいるとこの筋肉は衰えていきます。
という方にも歩き方に問題があります。
普段歩く時に意識的に足を上げて歩く人は少ないのが現状で、人間の行動習性でただただ移動するためだけに歩く時は、歩幅は狭く身体が疲れない様に無意識に足を上げず膝から下だけで歩く「ペンギン歩き」をしている方が多いです。長時間歩いているとスネの前側が疲れてしまう人はこの「ペンギン歩き」を行っています。
この様な歩き方では腸腰筋はあまり使っていないので、仕事などで歩きまわっているという方でも腸腰筋が衰えてきます。
腸腰筋と骨盤の深い関係
先ほども腸腰筋は骨盤周辺の筋肉です、と書きましたが、もう少し詳しく説明します。
腸腰筋の中の大腰筋は腰骨と足骨をつないでいます。この大腰筋が萎縮すると腰の反りが激しくなり骨盤が前傾してきます。
また逆に弱ってくると大殿筋に引き付けられ骨盤が後傾してきます。
腸骨筋は骨盤の内側と足の付け根を結ぶ筋肉で先ほどの大腰筋と同じく萎縮によって骨盤は前傾(左)、弱くなると骨盤は後傾(右)する傾向にあります。
仮にこれらの筋肉が弱くなると骨盤は後傾し腰椎(腰の骨)の湾曲(腰の反り)が無くなり、身体は全体的に後側に重心が傾きます。
後側に重心がいってしまうことにより、身体全体のバランスを取るために胸椎(肩甲骨の下辺り)から前側に丸めて身体のバランスを取るのですが、これが猫背の姿勢になってしまいます。
あなたの猫背はどっちタイプ?
いままで猫背改善のために一生懸命背中の筋トレを行っても、改善しないな~とお悩みの方は、まずは自分の骨盤がどっちに傾いているかを確認する必要があります。そして、猫背タイプが判別してからエクササイズやストレッチに励みましょう。
もし、あなたが背中の筋力不足ではなく、骨盤前傾や骨盤後傾の影響で悪い姿勢を作っているのあれば、背中の筋トレ前に腸腰筋や大腰筋のトレーニングに励むといいでしょう。
骨盤が正常な位置に戻ってから姿勢維持に必要な筋力トレーニングに励む方が効率がいいでしょう。