ここ最近はオリンピックの開催もあり、普段あまり目にすることのない競技を楽しんでいます。
さまざまな競技を観る中で、私が特に興味を引かれたのが「着地」 の瞬間です。
ものすごいスピードで、高い位置から身体が落下し、地面に接触したその一瞬、にもかかわらず、バランスを崩すことなく、まるで何事もなかったかのように立つ選手たち。
雪の上だから大丈夫そうに見えますが、正直なところ「自分があれをやったら、ケガする未来しか見えない」
そう感じた方も多いのではないでしょうか。
着地の瞬間、身体にはどれほどの負荷がかかるのか
もちろん、競技の頂点に立つ選手達と40歳を超えた私を比較すること自体ナンセンスではあります…。
それでも着地の瞬間、どれほどのエネルギーが身体に襲いかかっているのか
を考えると、無事でいられない人のほうが圧倒的に多いはずです。
調べていくと「位置エネルギー」という言葉に行き着き、Ug=mgh という公式に行きつきました。簡単に言うと物体が地球の重力にによって持つエネルギーです。高いところから落ちれば衝撃も凄いよ、ということです。
数式はさておき、
とてつもない力が身体にかかっている ことだけは
肌感覚でも十分すぎるほど分かります。
壊れてもおかしくない関節たち
足首、膝、股関節、仙腸関節、腰椎…。
どこか一箇所が壊れても、何ら不思議ではないエネルギーを選手たちは見事に 「受け止め、逃がし、分散させて」 います。
その技量の高さには、ただただ感嘆するばかりです。
そして同時に、
人の身体そのものに備わっているエネルギーを逃がすための構造 にも、改めて興味が湧いてきました。
仙腸関節が果たす、静かな大仕事
最近、骨盤について学び直しているのですが、着地の際には 仙腸関節が締まる方向に動き、
一旦ロックした状態から靭帯が衝撃を受け、それを 緩やかに逃がす構造 になっています。
かつて
「仙腸関節は不動関節だ」
「いや、半関節だ」
という議論がありましたが、
わずか 2mm弱の動き であっても、
衝撃を逃がす 緩衝機構として必要不可欠な機能 を持っていることが、ようやく腑に落ちてきました。

子どもの頃はできたのに…
私たちも子どもの頃は、
高い木の上から飛び降りたりしたものです。
着地を誤ると、
脳天までズンと衝撃が走ることもありましたが、それでも脊椎や脳に深刻なダメージを負うことなくやり過ごしてこれました。
それは決して運が良かっただけではなく、身体が本来持っている機能と構造が、私たちを守ってくれていたということなのでしょう。
着地という一瞬の動作の中に、これほどまでに精巧で、合理的な仕組みが備わっている。
人の身体は、知れば知るほど、よくできていますね。
