肩こりを訴える方の中には、「後頭部が重い」「後頭部が張る」「頭の付け根が気持ち悪い」と感じる方が少なくありません。
実は「肩こり」という言葉は夏目漱石が広めたといわれています。
その影響もあってか、本来は首や後頭部の筋肉の疲労であっても、「肩こり」とひとまとめにされることが多いようです。
実は、後頭部にはたくさんの筋肉が付着しています。
代表的なものでは、僧帽筋、胸鎖乳突筋、板状筋などがありますが、今回ご紹介したいのは、さらに奥にある**「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」**です。
後頭下筋群は、
- 大後頭直筋
- 小後頭直筋
- 上頭斜筋
- 下頭斜筋

という4つの小さな筋肉で構成されています。
とても小さな筋肉ですが、重要な役割があります。
それは目の動きに合わせて頭の角度を細かく調整することです。
パソコンやスマホを見ているとき、画面が見やすいように無意識に頭の位置を微調整してくれているのが、この後頭下筋群なのです。
普段は意識することのない筋肉ですが、現代のようにスマホやパソコンを見る時間が長い生活では、とても疲れやすい筋肉といえます。なんせずっと使っていますからね。
そのため、
- 後頭部が重い
- 頭の付け根が張る
- 首の付け根がだるい
- 頭痛が起こりやすい
といった症状につながることがあります。
こうした不快感があると、「強く揉んでもらいたい」と思う方も多いでしょう。
しかし、首の筋肉に強い圧をかけるのはよくありません。いつも指の上に頭を乗せているだけです。その人の頭の重さだけの圧ぐらいでちょうどいいです。
首には細く繊細な筋肉や神経、血管が集中しているため、強く押したり揉んだりすると、かえって筋肉を傷めたり、症状を悪化させたりする可能性があるからです。
たまに美容院で肩や首を揉まれて動かなくなった!と駆け込んでくる方もいらっしゃいますし、揉み返しのような症状が出るから揉まれるのを断っているという人もいるみたいですね。
その経験もあり、首の筋肉は「強く揉めば良くなる」とは考えていません。
特に今回ご紹介した後頭下筋群は深い場所にある筋肉です。
後頭部の重だるさを改善するためには、首だけを揉むのではなく、姿勢や肩甲骨、胸郭の動き、目の疲れなども含めて全体のバランスを整えていくことが大切です。
「肩こりだと思っていたけれど、実は後頭部の筋肉が原因だった。」
そんなケースも少なくありません。
後頭部の違和感や首の付け根の重だるさが続く方は、一度姿勢や身体全体の使い方を見直してみることをおすすめします。