「最近、肩こりがひどい」
「湿布を貼っても良くならない」
「マッサージを受けても、すぐ戻ってしまう」
そんな症状がある方は、単なる肩こりではないかもしれません。
- つり革につかまると腕や手がしびれる
- 髪を洗うと腕がだるくなる
- デスクワーク後に指先がジンジンする
- 湿布やマッサージではなかなか改善しない
いくつか当てはまる方は、一度この先を読んでみてください。もしかすると「胸郭出口症候群」が隠れているかもしれません。
今回は、
- 胸郭出口症候群とは何か
- なぜ起こるのか
- 日常生活で気をつけたいこと
- 改善のために大切なこと
について、わかりやすくお話しします。
胸郭出口症候群とは?
胸郭出口症候群とは、首から腕へ伸びる神経や血管が圧迫されることで、腕や手のしびれ、だるさ、痛みなどが起こる状態です。
神経は首から腕へ向かう途中で、いくつか狭い場所を通ります。
その通り道が筋肉や骨などによって圧迫されると、症状が出ることがあります。
主に、
・首の筋肉(斜角筋)の間
・鎖骨と肋骨の間
・胸の筋肉(小胸筋)の周辺
などが圧迫される場所になります。
つまり、症状が出ている「腕」だけに問題があるとは限らないということです。

なりやすい人の特徴
胸郭出口に負担がかかりやすいのは、次のような方です。
- なで肩
- 長時間のデスクワーク
- スマホを見る時間が長い
- 猫背や巻き肩になりやすい
- 腕を上げる作業が多い
特に注意したいのが、同じ姿勢を長時間続けることです。
原因は「座りすぎ」よりも「同じ姿勢」
私が現場でよく見るのが、長時間のデスクワークです。ただし、座っていることそのものが悪いわけではありません。
問題になるのは、同じ姿勢を何時間も続けてしまうことです。
たとえば、
肩が前に入る
↓
頭が前に出る
↓
呼吸が浅くなる
↓
首や胸の筋肉が働き続ける
↓
神経の通り道に負担がかかる
という状態が続くことがあります。朝からパソコンに向かい、気づいたら2~3時間ほとんど姿勢を変えていない。
そんな生活が毎日のように続いていませんか?
一日だけなら大きな問題にならなくても、同じ姿勢が習慣になると、首や肩周辺には少しずつ負担が積み重なります。
そのため、しびれが出た腕だけをケアするのではなく、普段どのような姿勢で過ごしているのかを見直すことも大切です。
呼吸も関係する?
人は仕事などに集中すると、無意識に呼吸が浅くなることがあります。
本来、呼吸では横隔膜が大きく働きます。
しかし浅い呼吸が続くと、首や胸周辺の筋肉が呼吸を助けるようになり、斜角筋などに負担がかかることがあります。
姿勢だけでなく、呼吸の仕方も身体の使い方の一つです。
しびれがあるなら、まずは医師へ
ここは非常に大切なところです。
腕や手のしびれは、胸郭出口症候群だけで起こるものではありません。頚椎の問題や手根管症候群など、ほかの原因でもしびれが出ることがあります。
そのため、しびれがある場合は自己判断せず、まず整形外科などで診断を受けることをおすすめします。
原因によって必要な治療は変わります。
日常生活で気をつけたいこと
症状がある方や予防をしたい方は、次のような姿勢を長時間続けないようにしましょう。
- 猫背や巻き肩でのデスクワーク
- 重い荷物を片側の肩だけにかけ続ける
- 腕を上げた状態を長時間続ける
- ノートパソコンやスマホをのぞき込む姿勢
大切なのは、一つの姿勢をずっと続けないこと。
こまめに姿勢を変えたり、肩や腕を動かしたりするだけでも、身体への負担を減らすことにつながります。体は動かさないと動かなくなりますからね。できれば全身を動かすことがおすすめです。
改善のために大切なこと
改善までの流れはシンプルです。
①まず医療機関で原因を確認する
↓
②必要な治療を受ける
↓
③姿勢や身体の使い方を見直す
↓
④再発しにくい身体を目指す
そのうえで、
- 姿勢を整える
- 呼吸を整える
- 肩甲骨を動かしやすくする
といったことを意識していきます。ただし、同じ胸郭出口症候群でも原因や身体の状態は人によって違います。
「これをすれば必ず改善する」というものではなく、なぜその症状が起きているのかを確認することが大切です。
まとめ
「肩こりだと思っていた」
「年齢のせいだと思っていた」
そんな症状の中に、胸郭出口症候群が隠れていることがあります。
特に腕や手のしびれ、だるさを伴う場合は、単純な肩こりと決めつけないことが大切です。
普段の姿勢や身体の使い方を見直していく。
この順番を大切にしてください。
私が身体をみるときも、症状が出ている場所だけではなく、
「なぜこの姿勢になったのか?」
「普段、身体をどう使っているのか?」
という部分を大切にしています。肩こりや腕のしびれを繰り返している方は、身体からのサインかもしれません。
我慢し続けるのではなく、一度ご自身の身体の使い方を見直してみてください。