最近、「肩甲骨をはがして欲しい」というご要望を聞くようになりました。
巷で”肩甲骨はがし”と謳っていることが多いし、ネットやメディアで取り上げられる機会も増えてきています。
肩甲骨の動きが良くなると肩から腕周りまで軽くなるのでずいぶんスッキリした感じを得られることもありますね。
ただ、施術する側としてはただ”剥がせばいい”というわけではありませんし、セルフケアをする際にも肩甲骨の動きを理解しておくと効果も高まるのでご紹介します。
ちなみに肩甲骨にくっついている筋肉って何種類あるかご存じの方はいらっしゃいますか?専門職でもない限り覚える必要もないのですが、
なんと、17種類の筋肉が肩甲骨に付着しています。
上の画像で名前がついているのものが全て肩甲骨のどこかにくっついています。
ちなみに肩甲骨は胸郭(肋骨と背骨)とは関節していません。鎖骨と上腕骨と関節しているのでかなり動きが自由で大きいことが特徴です。
つまり、「肩甲骨はがし」とかいう前に”もともとどこにも引っ付いていない”ということを知っておくことが大事です。それをわざわざ剥がす、という表現をするのは周りの筋肉が癒着して動きが制限されているからなんです。
でも、実際は動かさせているようであんまり動きがないのが肩甲骨の特徴なんですよね笑。
よく、肩こりで運動は何がいいかでおすすめするのは、「ラジオ体操」です。腕を大きく振りますし、上体も丸めたり反ったりするので肩甲骨周りの動きも伴います。
細かい話は難しくなるので割愛しますが、上の図を見てもらって分かる通り、肩甲骨を剥がす以前に色んな筋肉の状態を見ることが大切です。特に胸郭や肋骨の動きが悪いと肩甲骨を必死に回してもなかなか改善されにくいです。
椅子に座って肩甲骨だけ回しても効果があまり感じられないのは、他の胸郭や肋骨なんかが動いていないことが多いからです。
「肩甲骨はがし」や「骨盤矯正」といった、あたかも一部だけが悪いかのように言葉の一人歩きが多いですけど、関連する関節や筋肉も大切ですよ~、ということです。