腰痛ベルトを装着されている方をよく見かけます。
腰が痛いのだから当たり前、と言えばそれまでなのですが、
多くの方が口をそろえて言うのが
「ベルトをすると痛みが楽になる」
ということです。そりゃそうですよね。
確かに装着すると楽になるのですが、
「なぜベルトで腰痛がマシになるのか?」
と疑問に思ったことはありませんか?
腰痛ベルトの仕組みは「タイヤ」と似ています
この仕組みは、車や自転車のタイヤに似ています。
タイヤは中に空気をたくさん詰め込み、空気圧によって形状と弾力性を保っています。
ところが空気圧が下がるとどうなるでしょう。
タイヤはペコペコになり、走行中の安定性が失われてしまいます。空気の抜けた自転車で走ると危ないですよね?
これと似たようなことが、私たちの体の中でも起こっています。
体を支える「腹圧」という仕組み
お腹の中には空間があり、
そこを締め付ける役割をしているのが
・腹横筋
・腹斜筋
・腹直筋
といった腹筋群です。
これらの筋肉が働くことで、
お腹の中の圧力(腹圧)が高まり、
体幹は安定します。
背骨は体を支える大事な柱ですが、
実は背骨だけで体重を支えているわけではありません。
腹圧のかかったお腹と背骨が、役割分担して体を支えているのです。
腹筋が弱くなると腰に負担が集中する
ところが、腹筋群の力が弱くなると腹圧が下がり、お腹の中は不安定な状態になります。
そうなるとどうなるか。
本来は分担していたはずの体重を背骨が多く支えることになってしまいます。
この負担の増加が、
腰痛の原因のひとつになります。
腰痛ベルトは腹圧を「外から補助」している
腰痛ベルトは、お腹周りを締め付けることで
外側から腹圧を高める働き
をします。
その結果、
・体幹が安定する
・背骨への負担が減る
というメリットがあり、腰痛が楽になるわけです。
ただし長期間の使用には注意
ここで一つ問題があります。
本来、腹圧を維持する役割は
腹横筋などの腹筋群が担っています。
しかし
・腹筋が弱っている
・さらに腰痛ベルトが代わりに支える
という状態になると、
腹筋が働く機会が減ってしまいます。
すると筋力はさらに低下し、
結果として
腰痛を悪化させるリスクも出てきます。
腰痛ベルトは「使い方」が大切
医師によっては
「使用は3か月程度まで」
と言われることもあります。
しかし、このようなリスクを知らないまま
長期間使い続けてしまう方も少なくありません。
装着していると楽になるので、
頼りたくなる気持ちもよく分かります。
ですが、
どんな良い薬でも
用法・用量を守ることが大原則。
これは腰痛ベルトも同じです。
必要なときに上手に使いながら、
同時に腹筋をしっかり働かせていくことが
腰痛改善への近道と言えるでしょう。
